ゼロ・ウェイスト

日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言を行った徳島県上勝町が主催する『Future Beer Garden 2026』が、2026年5月14日・15日の2日間、東京・大手町仲通りにて開催されました。

飲んで、食べて、楽しんで。環境にちょっと良いコトに繋がっている。」をテーマに、多くの来場者や企業とともに資源循環を実践しました。

本レポートでは、ゼロ・ウェイストの視点からその取り組みと成果をご紹介します。
 

Future Beer Garden 2026では、2日間でのべ10,000名にご来場いただきました。

その中で発生したごみの「総排出量は80.5kg」。
そのうち76.2kgを資源として循環させ、「総合リサイクル率94.6%」を達成しました。

また、リユースやリサイクル可能な資材の採用により、ごみの発生そのものを抑制することにも取り組み、「リデュース率は70.3%」となりました。

1人あたりのごみ排出量は8.04g」。
同規模イベントの一般的な排出量(113〜150g)を大きく下回る結果となりました。

これらの成果は、来場者一人ひとりのご協力と、企業・出店者・運営チームの共創によって実現したものです。

Future Beer Gardenでは、イベントに使用する什器や資材など「何を使うか」「どう回収するか」を設計したうえで開催されました。

出店者と連携し、資源化できる素材の採用や分別しやすい運営体制を構築したことで、総排出量80.5kgのうち76.2kgを資源として循環させることができました。

高いリサイクル率は、来場者の協力に加え、循環を前提としたイベント設計とリサイクルしやすい仕組みづくりによって実現しました。

リサイクルだけではなく、ごみを出さない工夫にも取り組みました。

・おしぼりの廃止
・個包装資材の削
・リユース食器の導入
・アルミカップの活用
・堆肥化可能な食器の採用


こうした取り組みにより、ごみの発生そのものを抑制し、70.3%のリデュース率を達成しました。

Future Beer Gardenでは、資源循環に取り組む企業との連携により、循環の仕組みを実装しました。

企業の技術やアイデアが加わることで、より実践的な循環の仕組みが生まれています。

株式会社UACJ

イベントオリジナルのアルミカップを導入。
使用後に回収されたアルミカップは再資源化され、再びアルミ缶やアルミカップの材料に生まれ変わります。

アルミカップ回収量:13.8kg


ChopValue Japan

「竹由来」の箸 を導入。
使用済みの割りばしは回収後、家具などの什器にアップサイクルされます。

回収量:4.97kg


EcoinnoJapan

サトウキビの搾りかすが主原料の堆肥化可能な食器を導入。
使用後の容器は回収・分別され、地域農家で堆肥化された後、農業資源として活用されます。

回収量:22.7kg
 

ロックペイント株式会社


会場のシンボルとなった、ごみステーションやサイン制作に環境に配慮された塗料を使用。
ごみステーションには、コーヒー抽出後のかすを再利用した塗料を、また、装飾には海洋マイクロプラスチックを再生したローラーを活用するなど、資源を活かした会場づくりを実現しました。

これらの取り組みにより、会場装飾における環境負荷の低減にも貢献いただきました。

GHG削減効果 : 87.8 kg-CO2削減


STUDIO PREPA

回収した空き瓶は、長野県に拠点を構える硝子工房「STUDIO PREPA(スタジオプレパ)」の協力のもとグラスやプレート、花器、ランプシェードなど、さまざまな作品へと生まれ変わる予定です。

回収量:28.9kg


本イベントの趣旨に賛同し、ご協賛・ご協力いただいた企業の皆さまには、資材の提供や技術協力、展示を通じて、循環型社会の実現に向けたさまざまな挑戦をご共有いただきました。
こうした企業の皆さまとの共創が、高い資源循環率の実現を支える大きな力となりました。


今回のFuture Beer Gardenを象徴したのが、高さ約4mのごみステーションです。

廃材やリユース素材を活用して制作されたメインモニュメントは、単なる分別場所ではなく、資源循環を体験する場として設計されました。

上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みを発信する拠点「上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY」をモチーフに、サインデザインや分別の仕組みを設計しました。

来場者は飲食後、自らごみステーションへ向かい、WHYのスタッフとのコミュニケーションを通じて分別を実施。

さらに、回収された資源がどのように循環していくのかを可視化することで、「捨てたら終わり」ではないごみの新たな価値を伝えました。

また、会場内の飲食スペースやテーブルには、上勝町内の事業所で使用されているパレットやクレート、回収された古本などのリユース資材を活用。
環境に配慮しながらも、来場者が心地よく過ごせる空間づくりを行いました。

こうした取り組みは、単にごみを減らすための工夫ではありません。
会場そのものを循環のショーケースとすることで、来場者が自然と資源循環の考え方に触れられる場を目指しました。

なお、ごみステーションや会場装飾に使用した什器・資材は、イベント終了後に解体・回収し、それぞれ本来の用途へと戻されています。

イベントのために新たなものを大量に作るのではなく、既存の資源を活かし、再び循環の輪へ戻していく
会場づくりそのものにも、上勝町のゼロ・ウェイストの考え方が息づいていました。
 

Future Beer Gardenでは、ごみ削減を目的にするのではなく、楽しさの中に循環の仕組みを組み入れました。

ビールを飲む。
食事を楽しむ。
買い物をする。
人と交流する。
そのすべてが自然と資源循環につながる。

環境に配慮することを我慢や負担ではなく、前向きな体験として届けられたことこそ、本イベントの大きな成果のひとつです。

Future Beer Garden 2026で実証されたのは、「多くの人が集まるイベントでも、高い資源循環は実現できる」ということでした。

自治体、企業、出店者、そして来場者。
それぞれが少しずつ役割を担うことで、ごみは資源へと生まれ変わります。

Future Beer Gardenはこれからも、ゼロ・ウェイストの実践を通じて、地域から社会へ、そして未来へとつながる循環の輪を広げていきます。